ヒップホップ数珠繋ぎは、編集長で元DJの銀河がおすすめの音楽を気まぐれで紹介するコーナーです。「温故知新」をキーワードにサンプリングの元ネタ、ヒップホップの歴史や文化を発信していきます。
今回はInner Lifeのシングル『I’m Caught Up』です。関連楽曲なんかも合わせて紹介しているので、お気に入りの楽曲、元ネタやサンプリングの経緯、ヒップホップの歴史や文化に少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
I’m Caught Up (In A One Night Love Affair) / Inner Life
楽曲詳細
タイトル | I’m Caught Up (In A One Night Love Affair) |
アーティスト | Inner Life |
プロデュース | Patrick Adams / Greg Carmichael |
収録アルバム | I’m Caught Up (In A One Night Love Affair) |
リリース | 1979 |
レビューと解説
ディスコの名曲でダンスクラシックの定番。メンバーでプロデューサーのPatrick Adams(パトリック・アダムス)の最高傑作との呼び声も高い名作です。
プロデューサーのPatrick Adamsは元々Terri Gonzalez(テリー・ゴンザレス)と共同でこの『I’m Caught Up』を作っていました。ところが、当時Patrick Adamsの相棒であったGreg Calmichael(グレッグ・カーマイケル)が、グレッグの育てていたシンガーJocelyn Brown(ジョセリン・ブラウン)をボーカルに起用し、自身のレーベルであるTCTからInner Life(インナー・ライフ)名義でリリースしてしまったと言うのです。
もちろんパトリックとテリーの2人に無断で。後に楽曲の権利をPrelude(プレリュード)に売却しますが、その時にも訴訟問題となっています。
Hip HopではChubb Rock(チャブ・ロック)がシングル『Caught Up』のリミックスでサンプリングしています。
サビでI’m Caught Upが突如挿入されるフロアアンセム。
また、日本語ラップ界の重鎮Muro(ムロ)、DJ Krush(DJクラッシュ)、DJ GO(DJゴウ)によるユニットKrush Posse(クラッシュ・ポッセ)が1992年にシングル『Chain Gang』でサンプリングしています。
楽曲の制作背景には微妙な歴史がありますが、ディスコ・ダンスクラシックスの不屈の名曲として愛され続けるでしょう。
関連作品
I’m Caught Up (In A One Night Love Affair)が収録されているアルバム
I’m Caught Up (In A One Night Love Affair) / Inner Life

- I’m Caught Up (In A One Night Love Affair) / Inner Life
サンプリングされた曲・ネタ使い
Caught Up / Chubb Rock feat. Hitman Howie Tee
Chain Gang / Krush Posse
「チェンゲナチェンゲナチェーンギャーン!」日本語ラップのクラシック。
You Don’t Know What To Do / Mariah Carey feat. Wale
2018年10月に来日も控えたMariah Carey(マライア・キャリー)の14thアルバム『Me, I Am Mariah… The Elusive Chanteuse』の発売に先駆けて発表されたピックアップ曲です。お馴染みのJ.D.ことJeramain Dupri(ジャーメイン・デュプリ)のプロデュースによる、ディスコの名曲Inner Life(インナー・ライフ)の『I’m Caught Up ( In A One Night Love Affair )』をサンプリングしたトラックにゲストにWale(ワーレイ)を迎えたディスコ調の楽曲です。
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