ヒップホップ数珠繋ぎは編集長で元DJの銀河がおすすめの音楽を気まぐれで紹介するコーナーです。「温故知新」をキーワードにサンプリングの元ネタ、ヒップホップの歴史や文化を発信していきます。
今回はMariah Careyのアルバム『Mariah Carey』です。関連楽曲なんかも合わせて紹介しているので、お気に入りの楽曲、元ネタやサンプリングの経緯、ヒップホップの歴史や文化に少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
Mariah Carey / Mariah Carey

アルバム詳細
タイトル | Mariah Carey |
アーティスト | Mariah Carey |
レーベル | Columbia |
リリース | 1990 |
レビューと解説
“ 7オクターブの音域を持つ歌姫 ” のキャッチコピーで突如現れた若干20歳の女性シンガーによるデビューアルバム。細かく言うと実際は5オクターブだと言われますが、それでも凄いのでそこはどうでもいい。
男性並みの低音から「ホイッスルボイス」と呼ばれる超高音域まで広がる音域と圧倒的な歌唱力、加えて173cmの長身に10頭身の抜群のスタイルでおまけに美人ですからね。当時世間はものすごい衝撃に包まれたでしょう。
「また鳴り物入りのアイドルが出てきたよー」なんて思っていたら腰を抜かすであろうアルバム全体でのクオリティ。人によっては今でも最高傑作はこのデビュー作と言う人も少なくない名盤ですよ。
全曲必聴です。
トラックリスト
1. Vision Of Love
アルバムからの1stシングルで、記念すべきデビュー曲。デビューシングルでありながら、全米シングルチャートは4週連続1位の爆発的大ヒットとなりました。
90年代(1990年~1999年の10年間)の全米シングルチャート 第91位にランクインしています。
2. There’s Got To Be A Way
「世界中がひとつになれるはず」と歌うポジティブでピースな楽曲。イギリスのみでシングルカットされたようですが、その理由がわからないほどお気に入りの曲です。
R&Bライクなダンサンブルでキャッチーなトラックに、途中のゴスペルのようなコーラスも、マライアのボーカルと見事に相まって素晴らしい。
3. I Don’t Wanna Cry
ラテン調のギターの音色が哀愁漂うスローバラード。マライアの声域の広さ、抑揚のバランスといいテクニックのにじみ出た曲だと思います。
4. Someday
1stアルバム『Mariah Carey』からの3rdシングルで、全米シングルチャート1位(2週)のヒット曲です。これによりデビューアルバムからのシングルは3曲全て全米1位、デビューから3曲連続全米1位を記録しており、最終的には2ndアルバムからの『Emotions』までの5曲連続1位という史上最多記録を打ち立てます。
5. Vanishing
マライア本人が作曲したピアノ弾き語りのバラード。シンプルな曲ながら今でも人気のある曲ですね。
6. All In Your Mind
ディスコのような電子音系のバックトラック上で、伸びやかに歌うマライアのボーカルが凄い。特に2:40前後あたりとか終盤のホイッスルボイスとか。
何かの舞台裏ですかね?バックコーラスとの鳥肌もののアカペラを突発的に披露。
7. Alone In Love
これまた哀愁の漂うバラード。急に1人にされた切なさを歌う失恋ソングとなっています。
8. You Need Me
現在のマライアからは想像できないような、イントロから激しいギターリフが入りビヨンビヨンのベースが鳴るファンキーなロック系の楽曲です。
9. Sent From Up Above
全体的にポップな曲が多い中、かなりR&B寄りの1曲。Whitney Houston(ホイットニー・ヒューストン)とかその辺に似た感じを感じさせます……俺だけかな?w
10. Prisoner
アップテンポでサイバーな感じがヒット性を感じさせる1曲です。時代を感じさせるラップ調のマライアのボーカルもいい味を出しています。
11. Love Takes Time
アルバムからの2ndシングルで、こちらも全米シングルチャート1位(3週)を記録しています。元々は2ndアルバム『Emotions』用に制作した曲らしい。
これを聞いたスタッフが絶賛し「絶対にアルバムに入れるべきだ!」となったことから、すでにプレスを始めていた本アルバムの生産を中止し、急遽レコーディングされて収録されたという逸話付き。そのためこの曲の収録されていないアルバムもレア物として世の中に出回っています。